一言に品川区の特徴といっても様々なのですが、私は以下の人口移動状況(「品川区人口ビジョン」より)が現在の品川区の特徴をよく表していると考えています。
2014年のデータで少し古いのですが、分譲マンションの増加傾向等からみて、この傾向は今後も続くものと思われます。若い世代の転入超過が目立ちます。
また、以下のように他区に比べて定住意向が高いのも特徴です(「第22回品川区世論調査報告」より)。
定住意向の高さから、住みやすい自治体と評価されていると思われる一方、災害との関係で重要な特徴もあります。マグニチュード7.3の東京湾北部地震が冬の18時(風速8m/s)に起こった場合、火災延焼による建物消失率は、品川区が都内トップと想定されています(「首都直下地震等による東京の被害想定」より)。
木造住宅密集地域の整備が必要と言われている所以です。また、先ほどの若い世代の転入超過と併せて考えると、比較的地元出身者の多い町会による災害訓練だけではなく、普段訓練に参加できない人たちを想定した対策も必要になります。
上記は一部の特徴にすぎませんが、このような特徴を踏まえた課題の抽出と政策が必要と考えています。以下は私が考える政策の一例です。品川区議会の内外で提言していきたいと考えています。街頭活動等でご意見をいただくこともありますので、今後も政策は増やしていきたいです。
2019年、消費税増税が予定されています。これは区民の生活に大きな打撃を与える増税です。一方、2018年、特別区人事委員会は東京23区の公務員の給料を月額約1万円引き下げるよう勧告しました。それにもかかわらず、品川区長を含めた特別区長会は引き下げを拒否。また、地方議員の議員年金復活の動きまであります。
区民・国民に負担を強いるということであれば、政治家や行政がまず身を切るべきです。
日本維新の会は、増税の前に身を切る改革、議員の定数・報酬カット、と一貫して主張してきましたが、「地方議員は忙しい、なり手がいなくなるから報酬をカットすべきではない」とのご意見をいただくこともあります。しかし、品川区議会議員が十分にその役割を果たしているかというと、疑問があります。たとえば、品川区議会議員が、年4回開催される定例会ごとに、区長をはじめとする執行機関に対して、区の行政全般について質問する一般質問。品川区議会議員の定数は40名ですが、各定例会の平均一般質問回数は10回程度に過ぎません。区政をチェックする極めて重要な機会であるはずが、実に4分の3の議員が質問を行っていないのです。果たして品川区議会議員は、十分に役割を果たしているといえるでしょうか?
一方、区民サービスを向上させるためには財源が必要です。行政の合理化と共に区有施設を活用した歳入増加策で国に頼らない強い品川区を目指すべきです。
日本の教育への公的支出(GDP比)は、OECD諸国の中で最下位レベル。これでは少子化対策は進むはずがありません。若い世代の転入超過が続く品川区では、フルタイム共働き、ひとり親家庭を想定した現役世代支援が喫緊の課題です。行政のムダを省き、予算を子育て支援に振り替える必要があります。保育の質・教育の質を高めると共に、家庭環境による教育機会の格差是正を図るべきです。
また、集団生活になじめない子どももいます。学校だけが子どもの居場所ではないとの認識の下、子ども達に多様な選択肢を与えることが重要と考えます。
品川区は羽田空港にも近く、東京オリンピック・パラリンピックに向け、インバウンド需要を取り込み得る自治体です。決済システム・言語の壁で需要を取り逃さないよう自治体による支援も重要です。
また、品川区世論調査報告によれば、定住意向が高い理由は、交通の便や買い物の便の良さにあります。品川区は活気のある商店街も特徴の一つですが、近年空き店舗も見られるようになりました。区民ニーズに合った空き店舗活用策を模索します。
特別養護老人ホームの待機解消も喫緊の課題で取り組むべきですが、それに加えて健康長寿社会に向けた取り組みを推進します。
現在日本は、4人に1人が65歳以上という「超高齢社会」を迎えています。そのことと関連して、地域で弁護士として執務していると、一人で暮らしているお年寄りを狙った詐欺事件の相談を受けることがよくあります。この問題は今後ますます深刻になっていきます。弁護士として培った経験を基に具体的な対策を提言していきます。
また、品川区は毎年外国人住民が増加しています。この傾向は、政府の外国人労働者受け入れ拡大策により続くことが見込まれます。多文化共生のための施策を講じなければなりません。
さらに、いずれ来る大型地震に備える必要があります。
我が国は、G7の中で唯一離婚後の共同親権を認めていない国です。そして離婚前後を問わず、離れて暮らす親に十分に会えていない子どもがたくさんいます。児童の権利条約第9条3項では「締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。」と規定されていますが、我が国の司法はこれに沿った運用を行っていません。子どもの健全な育成を支援するため、自治体でできることから提言します。